はじめに:Liquidってそもそも何?
Shopifyを触っていると必ず出てくる「Liquid(リキッド)」という言葉。
テーマカスタマイズやコード編集を始めた人なら、一度は見たことがあると思います。
Liquidは、Shopify独自のテンプレート言語。
ざっくり言うと、「HTMLにちょっとした動きをつけるための仕組み」です。
HTMLが“静的な見た目”を作る言語だとすれば、
Liquidは“動的に内容を変える”ための橋渡し役。
たとえば、
- 「商品ページでタイトルを自動表示」
- 「在庫がないときだけ『Sold out』を出す」
- 「ブログの記事一覧をループで出す」
…といったことを簡単に書けるのがLiquidです。
Liquidの難易度をざっくり言うと?
結論から言うと、HTML/CSSを理解している人なら十分習得できます。
ただし、JavaScriptやバックエンドのロジックに近い考え方も少し出てくるため、最初は混乱しやすい部分もあります。
難易度の目安
スキル | 難易度 | 理由 |
---|---|---|
HTML / CSS | ★☆☆☆☆ | 見た目を作るだけなら簡単 |
Liquidの基本構文 | ★★☆☆☆ | ループやif文が理解できればOK |
動的データの出力 | ★★★☆☆ | オブジェクト構造の理解が必要 |
セクション(JSON含む) | ★★★★☆ | 2.0テーマ以降はJSON連携が重要 |
カスタム機能開発 | ★★★★★ | JavaScript・API連携・Liquidの応用が必要 |
初心者がつまずくポイントは、「Liquidの書き方より、どこに何を書けば反映されるのか」という構造理解です。
つまり、文法よりもShopifyテーマの仕組みを理解することが難しい部分なんです。
1. Liquidの基本構文はやさしい
Liquidの文法自体はとてもシンプルです。
Rubyに似たテンプレート構文ですが、初心者でも直感的に読めます。
よく使う基本構文
{{ product.title }} → 商品名を出力
{{ product.price | money }} → 価格を出力
{% if product.available %} 在庫あり {% endif %}
{% for item in cart.items %} {{ item.title }} {% endfor %}
見てわかる通り、「{{ }}」や「{% %}」を使ってShopifyのデータ(商品・ブログ・コレクションなど)を呼び出します。
つまり、**“データをHTMLに差し込む”**という考え方ができれば、基本は理解できます。
2. 難しく感じる理由:Shopify特有の「データ構造」
Liquidそのものよりも、「Shopifyの中にどんなデータがあるか」を理解するのがポイントです。
Shopifyには**オブジェクト(Object)**という考え方があり、たとえば:
product
→ 商品データcollection
→ コレクション情報cart
→ カート内データshop
→ ストア情報blog
/article
→ ブログ投稿
などが存在します。
これらを呼び出して、
「商品一覧ページではcollection.productsをループして出す」
「商品ページではproductオブジェクトを直接使う」
といった風に構成します。
このあたりを理解できると、「Shopifyを触るのが一気に楽しくなる」瞬間がきます。
ShopifyのLiquidの学習方法の記事はこちら↓

3. Shopify 2.0以降で登場した「JSONテンプレート」との関係
Liquidを学ぶうえで最近よく出てくるのが「JSONテンプレート」。
これが初心者にとっての新しい壁です。
JSONテンプレートとは?
Shopify 2.0以降は、ページ構成(セクションやブロック)をLiquidではなくJSONで管理する仕組みになりました。
たとえば:
{
"sections": {
"main": {
"type": "main-product",
"settings": {}
}
},
"order": ["main"]
}
つまり、
- JSON → ページ全体のレイアウトを管理
- Liquid → 各セクション(中身)を制御
という分担になっています。
これを理解すれば、「見た目(セクション)と構造(JSON)」を連動させる設計ができるようになります。
4. 初心者がつまずくポイントまとめ
つまずきポイント | 理由 | 解決方法 |
---|---|---|
どのファイルを触ればいいか分からない | sections やsnippets の構造が分からない | Dawnテーマを分解して観察 |
Liquidタグの種類が多い | 出力・制御・フィルターが混ざる | 一覧リファレンスを保存しておく |
編集しても反映されない | キャッシュやJSON側の設定が影響 | 一度テーマプレビューで確認 |
JSONが壊れる | カンマ・カギ括弧ミス | VSCodeの整形機能で自動修正 |
5. Liquidを理解するとできること
Liquidを使えるようになると、以下のようなテーマ改修や開発が可能になります。
- 商品ページの独自レイアウト構築
- トップページのおすすめ商品スライダー
- ブログの関連記事自動表示
- カートページで在庫や合計金額を動的表示
- 管理画面で設定可能なセクションを作成
さらに発展すれば、
**「オリジナルテーマの開発」や「アプリ連携のカスタマイズ」**にも挑戦できます。
6. Liquidを学ぶおすすめステップ
ステップ1:Dawnテーマを分解する
最も早いのは「見ること」。
Shopify標準テーマ「Dawn」をダウンロードし、sections
, snippets
, templates
フォルダを見比べましょう。
「このページでどのファイルが使われているか」を追うだけで理解が深まります。
ステップ2:Shopify.devで公式ドキュメントを確認
Shopify公式のLiquidリファレンスは超有用。
初心者が見ると少し難しく感じますが、一度読んで“構造”を頭に入れるだけでも価値ありです。
ステップ3:小さな改修から始める
- タイトルの出力を変える
- if文で条件表示
- セクションの追加
まずは「動いた!」という経験を積むことがモチベーションにつながります。
ShopifyのLiquidのよく使う言語まとめ記事はこちら↓

7. Liquid学習におすすめの教材・環境
学習方法 | 内容 | おすすめ度 |
---|---|---|
デイトラ Shopifyコース | 実際に手を動かす実務ベース | ★★★★★ |
Udemy / YouTube | 海外チュートリアルでコード例多数 | ★★★★☆ |
公式ドキュメント | 構文・オブジェクトリファレンス | ★★★★☆ |
ChatGPTで質問 | コードの意味や修正を即解説 | ★★★★★ |
特にChatGPTを使って「このコードって何してるの?」と質問するのは超おすすめ。
実務中の“壁”を一瞬で解消できます。
8. Liquidを使う上で知っておくと便利な知識
- フィルター(例:
| money
,| escape
)でデータ整形 - スコープ(どのページでどの変数が使えるか)
- インクルード:
{% render 'header' %}
で共通パーツ呼び出し - **セクション設定(schema)**で管理画面にUIを作る
- Dynamic sourceで他セクションの値を呼び出す
これらを覚えると、クライアントの細かい要望にも柔軟に対応できるようになります。
9. 実際に案件で使うレベルのLiquidとは?
実務レベルでは、Liquid単体ではなくHTML・CSS・JS・JSONの合わせ技です。
たとえば:
- 商品カードのデザインを変える(HTML+CSS+Liquid)
- 在庫数によってボタン色を変える(Liquid+JS)
- テーマ設定をJSONで管理(Liquid+Schema)
なので、「Liquidだけ極める」というよりは、全体の構造理解+少しのコード操作ができる人が重宝されます。
10. まとめ:Liquidは「難しそうで、慣れたら最高に楽しい」
最初は「どこを触ってもエラー」「何も変わらない」で混乱します。
でも、一度仕組みがわかるとLiquidはむしろ優しい。
なぜなら、Shopifyの世界で完結しているから。
外部サーバーもデータベースもいらない。構造さえ理解すればすぐ結果が見える。
🔹要点まとめ
- Liquidの文法は簡単。難しいのはテーマ構造の理解。
- JSONテンプレートとの連携が2025年以降は必須。
- 開発者を目指すなら、Liquid+JS+JSONをセットで習得。
- Dawnテーマの分解+実践が最速の学び方。
- ChatGPTを使うと「詰まり」が激減する。
Liquidは“動かせるHTML”です。
感覚で覚えられる人なら、きっと楽しくハマります。
最初の一歩は、テーマを壊してもいい「練習用ストア」を作って、手を動かすことから。
「コードが理解できるWebデザイナー」は、Shopifyの世界で間違いなく強いです。
ShopifyのLiquidについての記事はこちら↓


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