はじめに──なぜ美容師がAWSを学ぶのか
「40代で異業種転職」「美容師からエンジニア」と聞いて、正直どう思いましたか?
無謀、遅すぎる、と思った方もいるかもしれません。自分でもそう思った時期はありました。
でも今、AWS SAA(ソリューションアーキテクトアソシエイト)に合格し、ポートフォリオサイトを公開し、2027年の転職に向けて着実に前進しています。この記事では、なぜ美容師がクラウドエンジニアを目指すのか、どうやってSAAを取得したのか、そして合格後に気づいたリアルなことを、包み隠さず書いていきます。
AWS転職を検討している方、異業種からのキャリアチェンジを考えている方に、少しでも参考になれば嬉しいです。
自己紹介──美容師として独立、13年以上の経営
美容師として独立し、サロン経営を13年以上続けてきました。
最初は自分以外のスタッフも雇い、組織として動かす経営スタイルを経験しました。でも、やっていくうちにわかってきたことがあります。自分は「人を管理して動かす」より「自分で手を動かして稼ぐ」スタイルの方が、圧倒的に向いているということです。
これは逃げではなく、自己分析の結果です。人を雇う経験をしたからこそ、自分の性格がはっきり見えた。それ以来、ひとりで経営するスタイルに切り替え、今に至ります。
この「自分で動く・自分で稼ぐ」という感覚が、後のキャリアチェンジにも大きく影響しています。
なぜITに興味を持ったか──Shopify開発がきっかけ
AWSを始める前、Webサイト制作やShopifyでのECストア構築を独学で学んでいた時期があります。
美容師としてサロンを経営しながら、集客やオンライン販売に興味を持ったのがきっかけでした。HTMLやCSSを触りはじめ、「作ることが面白い」と感じ始めた。プログラムやシステムが動く仕組みに興味が湧き始めたのはこの頃です。
Shopifyの開発を続ける中で、クラウドインフラという概念を知りました。AWSを調べていくうちに、「これは仕事として成立する技術領域だ」と確信しました。
なぜAWSエンジニアを目指すのか
クラウドエンジニアという職種を知ったとき、正直「これだ」と思いました。
理由はいくつかあります。
技術の需要が高く、今後も伸びる領域であること。 DXが加速する中、AWSの需要は国内外で増し続けています。経済産業省のレポートでもIT人材不足は深刻で、クラウドスキルを持つエンジニアの市場価値は高い。
自分の「自走する」スタイルに合っていること。 サロン経営で培った「自分で考えて動く」力は、エンジニアとしても活きると思っています。手を動かして構築し、問題を自分で解決していく作業は、美容の技術を磨いてきたプロセスと本質的に似ている。
将来的な独立・フリーランスへの道があること。 最終的には会社員に留まらず、フリーランスのAWSエンジニアとして動きたいという目標があります。まず就職して実務経験を積み、その後独立する。サロン経営で「自分で稼ぐ」感覚を知っているからこそ、この道筋が自分にとって自然に見えています。
転職先として第一候補に挙げているのはAWSに特化した専門企業で、中途採用にも積極的、リモートワーク対応もある。自分の目指すキャリアパスに最も近い環境だと判断しています。

AWS学習の記録──CLFからSAAまで
まずはAWS CLFで土台を作る
AWSの学習を本格的に始めたのは2025年初頭です。最初はAWS CLF(クラウドプラクティショナー)から着手しました。
CLFはAWSの全体像を把握するための入門資格。難易度は高くありませんが、「クラウドとは何か」「AWSにどんなサービスがあるか」を体系的に学べる良いスタートラインでした。2025年11月に合格。
SAA──一発合格ではなかった
CLF合格後、すぐにSAA(ソリューションアーキテクトアソシエイト)の学習に入りました。
正直に言います。一発合格ではありませんでした。
複数回の挑戦を経て、2026年4月にようやく合格しています。途中、「自分には無理なのか」と思った時期もありました。でも、諦めなかった。
SAAが難しい理由は、単純な暗記では通用しないところにあります。「なぜそのサービスを選ぶのか」という設計思想の理解が問われる。正解を覚えるより、AWSのアーキテクチャを「考えられるようになる」ことが必要です。
また、最近のSAA試験はSAP(プロフェッショナルレベル)に近い難易度の問題も出題されます。受験を考えている方は、過去問だけでなく、しっかりとした理解ベースの学習が必要です。

使った教材・ツール
学習に使ったのは以下の3つです。
ping-t Web問題集として定番ですが、SAAに関しては解説の質にばらつきがあると感じました。問題の量をこなす目的で活用。
Udemy 模擬試験 「AWS 認定ソリューションアーキテクト アソシエイト模擬試験問題集」系のコースは複数あります。本番に近い難易度の問題が揃っており、解説も充実。セール時に購入するのがおすすめ(1,500円前後になることが多い)。
黒本(AWS認定資格試験テキスト) 通称「黒本」と呼ばれる参考書。体系的に整理されていて、知識を構造的に理解するのに役立ちました。
サロン経営しながら勉強するということ
「本業があるのにどうやって時間を作るの?」とよく聞かれます。
正直、楽ではありませんでした。
サロンの営業が終わった夜、休日の朝、スキマ時間を全部使いました。まとまった時間は取れないので、「細切れで継続する」スタイルに切り替えました。1日30分でも、毎日続ければ積み上がる。
美容師の仕事はお客様の予約次第でリズムが変わります。予約の少ない日を集中学習日にするなど、スケジュールを自分でコントロールできる点は、独立しているからこその強みでした。
モチベーション管理で一番効いたのは、「2027年に転職する」という具体的な期限と目標企業を決めていたことです。ゴールが曖昧だと、忙しい日が続いたときにサボる理由を探してしまう。期限と目標があれば、逆算して動ける。
合格後に気づいたこと──SAAだけでは足りない
SAA合格は嬉しかった。でも、合格したからといって「エンジニアになれた」わけではありません。
転職活動を本格的に視野に入れ始めてから、現場のベテランエンジニアたちの声を聞く機会が増えました。そこで気づいたことがあります。
「クラウドだけできても、それだけでは成り立たない」
9割以上の現場エンジニアが口を揃えて言うのは、LinuxやOS、オンプレミスの知識が必要だということです。
AWSのサービスを操作できても、その下で動いているOSやネットワークの仕組みを理解していないと、トラブルシューティングや深い設計判断ができない。EC2が応答しなくなったとき、SSHで入って何を確認するか。ディスクが逼迫したとき、どのコマンドで何を調べるか。こうした「地力」がなければ、現場では動けない。
これはSAA取得後の自分にとって、正直、痛いフィードバックでした。でも早めに知れてよかった。
今は**Linux標準教科書(LPI-Japan無料公開)**を使ってLinuxの基礎を並行して学んでいます。AWSのポートフォリオ構築と組み合わせ、「EC2上で実際に手を動かしながら覚える」スタイルで進めています。
ポートフォリオ──実装して見せる
資格だけでなく、実際に作ったものを見せられることが転職活動では重要です。
現在、swell-webworks.com というポートフォリオサイトを公開しています。
実装済みのAWSサービスは以下の通りです。
- VPC(パブリック・プライベートサブネット、IGW、NATゲートウェイ)
- EventBridge + Lambda(EC2の自動起動・停止スケジューリング)
- S3 + CloudFront(静的サイトホスティング)
- Route 53(カスタムドメイン設定)
- RDS MultiーAZ
- WAF
- TerraformでVPC作成(Iac)
- CloudWatch(監視・運用)
- LambdaとAWS Bedrock+Claude連携(AIチャットボット作成)
構成図はdraw.ioで作成し、サイト上に掲載しています。「AWSを知っている」ではなく「AWSで作った」を示すことが重要だと思っています。

これからのロードマップ
現時点でのキャリアロードマップは以下の通りです。
2026年前半〜中盤 Linux・OS基礎の習得、AWSポートフォリオの充実(RDS、WAF追加)、Pythonスキルの強化(boto3・Lambda活用)
2026年後半(9〜11月頃) 転職活動開始。AWS 特化企業を第一志望として応募。
2027年5月 転職・入社(サロンの借入完済タイミングに合わせた目標)
3〜5年後 実務経験を積んでフリーランスへ。将来的には海外拠点での活動も視野に。
同じように転職を考えている方へ
40代での異業種転職を、周囲が全員応援してくれるわけではありません。「今さら」「リスクが高い」という声もあります。
でも、自分の働き方・生き方を自分で決める権利は誰にでもある。
大事なのは、感情ではなく戦略で動くことだと思っています。なぜその会社なのか、いつまでに何を準備するのか、何があればスタートラインに立てるのか。それを逆算して、一歩ずつ積み上げていく。
転職は目的ではなく手段です。自分がどう働きたいか、どう生きたいかを起点に考えると、やるべきことが自然に見えてきます。
この記事が、キャリアチェンジを考えている誰かの背中を少しでも押せたなら嬉しいです。
まとめ
- 美容師・サロン経営11年以上から、40代でAWSエンジニアへの転職を目指している
- AWS CLF → SAA と段階的に取得。SAAは複数回の挑戦を経て2026年4月に合格
- 使った教材はping-t、Udemy模擬試験、黒本
- 合格後に気づいた現実:Linux・OS・オンプレ知識がないとエンジニアとして通用しない
- ポートフォリオ(VPC・Lambda・S3・CloudFront・Route53)を実装・公開済み
- 2027年5月の転職を目標に、今も学習継続中
最後まで読んでいただきありがとうございました。質問・コメントはお気軽にどうぞ。

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